FABRIC TOKYO Inc.

Yuichiro 
Mori

WAAK+ #1 高身長の人のための
在宅ワークデスク

森 雄一郎

株式会社FABRIC TOKYO
代表取締役CEO 森 雄一郎 氏

1986年岡山生まれ。大学生時代にファッションメディアで起業し、海外コレクションを取材するなどグローバルに活動。卒業後はファッションショー演出企業を経て、デザイナーズ不動産「ソーシャルアパートメント」の創業期とフリマアプリ「メルカリ」の創業期に参画。2014年に自身が服のサイズに困った経験から、オーダーアパレルD2Cブランド「FABRIC TOKYO」をリリース。5年で二桁億円規模に成長。

自分にピッタリのデスクがない

「これまで自分にピッタリのデスクと出合ったことがありませんでした」と話す森さん。それは森さんが187cmの高身長で、どのデスクも体型にフィットしなかったから。一般的なデスクでは、背中を丸めたりイスを低くしたりする必要があり、目や腰など身体への負担も大きかったそう。

だったら作ろう

一方私たちWAAK˚もまた、「一人のためだけにつくるモノが、実は普遍性を持ちうるのでは?」という仮説に一緒に取り組めるプロジェクトパートナーを探していました。そこで「森さんだけのための(そしてゆくゆくは高身長の人のためになるかもしれない)デスクを一緒につくりませんか?」とお誘いし、快諾をいただきました。

オフィス家具らしくなさ

今回は、自宅で仕事をするためのデスクを想定。であれば、生活空間となじむものでなくてはなりません。在宅ワークに特化したデスクをつくってきたWAAK˚には、多くの知見がありました。部屋にあることがうれしい木の質感、インテリアとして美しい造形。一般的にイメージされる「オフィス家具」の姿は捨て去りました。

しかし機能はもりだくさん

当然機能性は追求します。まず、PC周りの配線を隠して生活空間を圧迫しないデザインに。さらに、仕事柄ファッション誌やカルチャー誌を複数チェックし、PCで作業をする森さんのために、天板の下にはPCや雑誌を一時的に収納できる棚を設けました。仕事と生活の時間をシームレスに移行するために「デスクをすばやく片付けられる」ことは重要です。

色が視覚に与える印象

デスクはホワイトの天板に木の脚という仕様に。これは、色が空間に与える印象の大きさを考慮して決定しました。企業やショップは、色をコントロールしてセルフイメージをつくります。例えば、ブルーボトルコーヒーは「ホワイト50%、グレー40%、ブルー10%」でイメージできるように。森さんはこの考え方を大切にしていて、家の中はホワイトとグレーをメインカラーに、ネイビーを10%くらい差し入れるようにしているそう。そこで、大きな面積を占めるデスクの天板は、ホワイトにしました。

もっと繊細に

デスクの形にも新しいチャレンジがありました。一度目の試作ののち、「もう少し繊細にしたい」というフィードバックを受け、脚をやや丸くしてアールを入れ、下に向かって細くするテーパードをかけるという調整を行いました。強度が落ちず安定性を保つためのギリギリのラインを探る作業では、家具のまち大川ならではの技術が活かされました。

小さくて大きな「5cm」

さて。肝心のデスクの高さは、数回の試作を経て77cmになりました。一般的なオフィス家具の高さは72cmです。「たった5cmと思うかもしれませんが、この5cmは大きいんです。初めてデスクの下で足が組めます!」と森さん。無意識のうちに積み重なっていた小さなストレスは、解消されて初めて明らかになるものかもしれません。

自分自身が最初のユーザー

今回のプロジェクトがうまくいった大きな要因の一つは、森さんが、自分にフィットするスーツを気軽にオーダーできる会社「FABRIC TOKYO」を立ち上げたことと無縁ではありません。オーダースーツの二大障壁である「敷居が高そう」と「価格が高そう」を、インターネットの力を駆使することで解決し、多くの若者を顧客に取り込んできました。「このサービスも、かっこよくスーツを着こなしたいのに、レディメイドでは見つからない…という、私自身のニーズから出発しました」と森さん。まさに今回のデスクづくりにも通じます。

もっと選択肢を!

森さんと一緒につくったデスクは、高身長の人にとっての新たな選択肢となりそうです。働く人の身体も、環境も、ニーズも様々。であればピッタリのデスクの形も様々であっていいはず。ある人が「こういうものが欲しいな」と思っているものは、実は他の人も欲しかったもの、かもしれません。

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