中学受験生の子を持った私が、昇降式の学習机と専用ワゴンを開発した理由。
WAAK°代表の酒見です。
この記事は、自分たちの時間やお金を「子どもの未来」に投資している、
全国の頑張っているお母さんやお父さんに向けて書いています。
私も、子どもが中学校へ進学する際に
中学受験に挑戦することを決めて、
家族一丸となっての中学受験への挑戦を経験しました。
WAAK°が販売する電動昇降学習デスク「プレディデスク」と
ファイルワゴン「ドックワゴン」は、
その時の子どもの頑張りと苦悩を見て、
「もっと受験生をサポートすることに特化した
勉強机やプリント整理家具を作れるのではないか?」
と感じた実体験から、開発をスタートしました。
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WAAK°では大人の方向けにカスタムメイドの電動昇降デスク
「WAAKstanding Pro」を販売しています。

デスク本体でも20万円以上、フルスペックなら40万円を超える
WAAK°の中でも、市場を見渡してみても、かなり高額な部類に入るデスクです。
高額にも関わらず、サイズや機能を変えられるカスタマイズ性や
パーツ一つひとつを厳選して、職人が丁寧に製作している品質によって
多くのユーザー様にご好評をいただいています。
この、WAAKstandingProで培ってきた
ハイエンド昇降デスクのDNAを受け継ぎながら、
サイズなどの選択肢を学習机としてニーズのあるものに絞り込むことで
10万円台からラインナップさせたのがプレディデスクです。
少し長い記事ですが、プレディデスクが
なぜこのデザインでこの価格なのか、
より深く知っていただけるのではないかと思います。
ぜひお時間ある際に、読んでいただけましたら幸いです。
「長く使える」を再定義する。
私たちは商品開発の原理原則として
「作る意味のあるものを作る」
ということを大切にしています。
売上のために新商品を開発しなければならない、ではなく
今まだ世の中に無い選択肢を、自分たちの価値観に背くことなく誠実に作る、
という開発スタンスです。

プレディデスクを開発した時、
受験生を持つ親として
この子たちがずっと使える、使っていたくなる机って
どんなものだろうか?と考えました。
そこで私たちは、このプレディデスクを開発するに当たって、
対象となるターゲットユーザーを「中学受験生」に設定しました。
一般的な学習机は小学校進学時をターゲットにしている物が多く、
どうしても甘いデザインになりがちです。
だからといって、大人のパソコンデスクを学習机にするのも味気ない。
小学校高学年というのは、入学からたった3~4年しかたっていないにもかかわらず
驚くほど成長し、大人びた価値観も持ち始めるようになる年頃です。
私たちがその年齢だった頃と比べると、
デジタルネイティブな今の世代は、
情報への感度が高く、精神的な成熟も
早いようにも感じます。
そして高学年から大学生までの10年間は、
人生で最も身長が伸びる時期でもあります。
そう考えた時、必要な機能とデザインが見えてきました。

重要なポイントは3つです。
1つ目に、身長にフィットし続けるよう、
昇降デスクであること。
次に、大学生になり子どもが家を出た時、
一人暮らしに持って行っても、
実家でそのまま親が使い継いでも、
いつまでも心地よく使えるような
普遍的でタイムレスなデザインであること。
そして3つ目に、それらが修理や交換、リファービッシュ(きれいに整備すること)が
可能な設計であるということです。
「高さが変わらない」
「引っ越しに不向きなデザイン」
「分解や再生を前提としていない設計」
そんな“古い概念のロングライフ”な学習机の特徴を、
すべて再定義することから、プレディデスクは始まりました。
10代の感性や価値観を育むデザインとは。
昇降デスクにも、安価なものから高価なものまで
選択肢は数多くあります。
昇降デスクに求められる基本的な性能だけで言えば、
一定の価格帯以上であれば、
必要十分なスペックの製品は多く存在します。
天板にしても同様で、
「ノートや参考書を置いて勉強する」
という機能だけなら大抵のものは機能を満たします。
だけど私たちはそこに、
機能以上の情緒的な価値を付けたいと考えました。
10代は最も身長が伸びる時期、と先ほど書きましたが
同時に価値観が形成されていく時期でもあります。
私たちが10代の頃に心揺さぶられた音楽や映画やデザインなどが、
大人になっても「良いもの」の基準として存在するように。
10代で日々当たり前のように触れていたものたちが
感性や価値観に強い影響を与えるということは、
数値では測りにくいことかもしれませんが、
誰もが経験として感じるところではないでしょうか。
だから机という「自分だけの場所」は、
無機質でコスパを優先した物よりも、
日々、使うことで感性を育むような
「本物」を使って欲しい。
それがプレディデスクにおける
デザインや素材選定の基本となっています。
WAAK°が考える“本物”。
“本物”や“上質”の定義は人それぞれですが、
自信を持って製品を世に届けるためには
自分たちなりの定義が必要です。
私たちはそれが
・素材を活かすこと(「木目調」などのフェイク素材を使わない)
・引き算のデザイン(無駄な装飾で誤魔化さない)
・経年深化(「新品時が100で、後は目減りしていくもの」ではないこと)
だと考えています。
素材を活かす

料理で良く言われるこの表現、
私たちは家具にも当てはまると考えています。
特に木材は、その木目に一つとして同じものがない
完全にオンリーワンなマテリアルです。
木、一本一本の個性。
その個性を丸太から読み取り、断面の木目柄をイメージしながら
製材する職人の目利き。
板材を接ぎ合わせてパネル状にする職人のセンス。
多くの人の手を介して生まれる美しい木目は、
いわば自然と人間が共創する総合芸術です。
引き算のデザイン

素材を活かすためには、
シンプルなデザインでなければいけません。
そしてシンプルであればあるほど、
細部へのこだわりや技術の差が如実に表れます。
プレディデスクの天板の端部は、
「フォーサークルエッジ」という4つの円弧を組み合わせた
独自の形状を元にデザインされています。
使い心地と普遍的な美しさを同時に追求したこの形状は、
数十種類ものデザイン案の中から選び抜いたものです。
「飽きのこないデザインか」
「素材の特性にマッチしているか」
「長時間の勉強でも、手首や腕に負担がかからないか」
「机として見た時、歓びを感じられる佇まいか」
使う人の暮らしや人生を想像しながら、
様々な思考を積み上げて、
必要なものだけを残して、削ぎ落とす。
この足し算と引き算の積み重ねによって、
10年先も色褪せないタイムレスな美しさを導き出します。
経年深化
無垢材を活かしたデザインも。
オイル仕上げという塗装方法も。
LINAKの昇降脚を選んだことも。
すべては“経年深化”という考えに結びついています。
私たちが考える経年深化とは、単に古くなることではなく、
手を入れながら使い続けることで「新品以上の愛着」が育っていくことです。
これを実現するために、私たちは「リファービッシュ(再生)」を前提とした設計にこだわりました。
例えば、Apple製品のように、メーカーが責任を持って整備し、新品同様に再生する。
そんな循環を家具でも作りたいと考えたのです。
1.自分で育てられる「塗装」
一般的なウレタン塗装はメンテナンスフリーですが、
キズがつくと補修が困難です。
私たちが採用したオスモオイル仕上げは、
多少の手間はかかりますが、ご家庭で簡単にメンテナンスができ、
小さなキズも「家族の歴史」として馴染んでいきます。

2.世代を超える「天板のバトンパス」
お子さんが大学入学まで使い倒し、ご家族が引き継ぐ時。
天板だけを新品に交換できる設計にしました。
さらに、使い込まれた天板はWAAK°が下取りし、
職人が削り直して再塗装することで、
次の誰かの元へ新品同様の美しさをまとった
「リファービッシュ天板」として送り出す。
そんな循環システムの構築も進めています。

3.部分交換できる「脚」
家電と同じく寿命がある電動昇降脚ですが、
世界で1,000万台の実績を持つLINAK製を選んだことで、
万一の故障時も「脚のパーツだけ」を交換可能です。
机そのものを捨てる必要はありません。
壊れたら捨てるのではなく、直して、交換して、また使う。
このサイクルこそが、私たちが提案する新しい「一生もの」の形です。

寛容な美意識を。
そして、この「本物」を作るためには
優れたデザイン、優れたデザイナーが必要でした。
そこで私たちが頼ったのが、
池田美祐さんと倉島拓人さんによる
M&Tというデザインユニットです。

インテリアブランドACTUSのミレニアル世代向け家具ブランド
『good eighty%』をはじめとして
様々なプロダクトデザイン・ブランドディレクションを手掛ける
新進気鋭のデザインユニットです。
彼らに出会うまで、デザイナーを探し始めてから3年かかりました。
その間、数え切れないほどのデザイナーに会ってきましたが、
WAAK°の家具デザインを依頼できるのは、
彼らをおいて他には考えられませんでした。
現代のライフスタイルに合うデスクは、
デザイン性だけでなく
手持ちのパソコンや電子機器類が使いやすい
機能性も必要不可欠です。
それには、家具デザインだけではなく
工業デザインの視点や考え方が重要になります。
また、美しさを追求することと同等に、
使う人の課題を解決する、解決力も必要です。
一方で、機能に寄りすぎると
10年後に古さを感じるデザインになる懸念も出てきます。
彼らが最も優れている点は、
傾聴力と自分たちの作家性を
高い次元で両立できるバランス感覚。
元々、工業製品のデザイン事務所出身の二人は
家具から家電まで、大企業から中小企業まで、
幅広いデザイン経験を持っていました。
彼らと取り組みを始めた初期、
「Emulsion(エマルジョン)」というコンセプトを出してくれました。
水と油という混じり合わないもの同士が混ざり合う「乳化」のように。
木と金属。
機能とデザイン。
現代的な利便性と、時代を選ばない佇まい。
一見、相反する要素を混ぜ合わせて、
他にない価値を生み出していく。
この素晴らしいコンセプトに、とても心躍ったことを鮮明に記憶しています。
そしてそこから
プレディデスクが発売されるまで
さらに2年。
足かけ5年という、家具開発としては非常に長い歳月をかけて
このプレディデスクは、
使う人一人ひとりが自分にベストな学習環境を整えられる
「寛容な美意識」ある学習机に仕上がりました。
より良い未来のために。
子どもたちが私たちの年齢になる頃、
日本は、世界は、どうなっているのでしょう。
想像もつきませんが、だからこそ
どんな時代が訪れようとも
強く生き抜く力を身につけて欲しいと
中学受験などの挑戦をサポートできればと
強く思っています。
プレディデスクでWAAK°が思い描く
「循環型の家具の経済」も
多くの方の共感を得られれば、
次の時代のスタンダードになるかもしれません。
このプレディデスクを通して、
より良い未来を作る挑戦取り組みに
ご一緒していただければ
作り手としてこんなに幸せなことはありません。

ファイルワゴン「ドックワゴン」についての開発ストーリーも
近日公開予定です。
お楽しみに!
プレディデスク
https://waak.space/pages/predydesk

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